長年お世話になっている地元の床屋さん「Hair Cut JAM」の千葉さんから、お店の日常が垣間見れるようなムービーを作ってみたいとのお話をいただき、「散髪のジャム」と題して映像を制作させていただきました。
JAMは宮城県仙台市の五橋エリアで長く営まれているバーバーショップ。
移転前はSADAM YOSHIZAWAさん、現店舗は野坂稔和さんがお店のサインを描き、ワールドワイドな雰囲気を纏っているのですが、次々訪れるお客様を眺めていると、幼児、こども、学生、社会人、おじいちゃん、おばあちゃん、スケートボーダー、アーティスト、バイカー、アスリート、格闘家など、様々な層の人々が自然に交差している珍しいお店です。
JAMのある場所は、五橋エリアの中でも下町感の強い、活気のあるストリート。
狭い通りに個人店が立ち並び、JAMの窓からは、向かいにあるブラジリアン柔術の先生方やこどもたちの元気が姿が見え、近隣の大学生が楽しそうに行ったり来たり。
語学留学の方の賑やかな声が聞こえたと思うと、若いスケートボーダーが颯爽とプッシュで駆け抜けていく。
千葉さんはよく「バーバーショップというより床屋。老若男女も、地元民も、旅人も、隔てなく交差する銭湯みたいな。」、「床屋は裏方だと思う。」とお話されます。
この世界観をムービーでどう表現しようか考えたとき、バーバーショップとしてわかりやすい構成で表現するのではなく、ディープでユーモアがあって、まるでそこに同席しているような感覚になれる構成にしたいと考えました。
そこで千葉さんに、具体的な床屋のイメージは一切撮らず、床屋と銭湯に共通する「待合室での時間」だけで表現したいと相談しました。いただいた回答は「OK!」。
約30秒という短時間に、「昭和」「若者」「待合室での出来事」「大人の階段」「交流」を凝縮するために、出演をお願いさせていただいたのが、千葉さん一推しのフーテン族の高田勘吉さん。
フーテン族はその名の通り、1960年代の社会現象「フーテン族」(放浪者、無宿人)から名付けられ、2021年に東京・高円寺で結成されました。
又吉直樹さん(ピース)も公式YouTube「渦」にてフーテン族のお話をされており、人気のあるバンドです。
高田さんはお若いのですが、この感覚です。オフィシャルのMVを添付しましたのでぜひご覧ください。
当日、撮影は一発撮りで完了。
カット終わりにギターを弾く高田さん。
柔術帰りの小学生がいつも通りお店にきてみたら、初めて出会う大人の雰囲気に思わず無言で出て行ってしまう。
そんな、まだ知らない異文化との出会い、世代間交流を、わざとらしい演出と、シュールな雰囲気で描写してみました。
エンドは昭和のTVCMを意識したナレーションを高田さんに吹き込んでいただき、テキストも、以前に千葉さんがノベルティで作ったタオルのデザインをオマージュしています。
機材もデジタルカメラではありますが、古めで高感度に弱い機種に古いレンズをセットアップ。
カメラ固定で、編集もエフェクトも、「今っぽさ」は極力排除。
シンプルでちょっとチープな、コメディ感のある雰囲気作りに徹しました。
改めて、千葉さん、高田さん、少年、心から感謝申し上げます。
今日もJAMはいつもと変わらず、それぞれの日常を受け入れ、それぞれの髪を切っている事でしょう。
そんな人間交差点、ぜひ一度訪れてみてください。
Hair Cut JAM
宮城県仙台市青葉区五橋2丁目7-6 竹澤ビル102
☎︎0222272558 (電話予約最優先) DM不可
